カウンタック銛ガール

2012年07月21日

第35回「山の神様がくれたミス」

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おはようございます。

震える手で前回の更新日時を確認してみたところ、4月の27日、と記されていました。
もう3ヶ月弱の月日がたっているではありませんか。幽霊ではありませんか。俺がむやみやたらな実況を織り込みながら真夜中おぼつかない原稿を書く季節(※だいたい目安にいうと2年おきの6月、主にW杯とEURO観戦を理由とする)も、もはやすでに遥か彼方。俺が3日間だと思っていたものがこの世界では3ヶ月だったとでもいうのでしょうか。逆精神と時の部屋か。ウラシマンか。ウラシマ・まりんか。ムー帝国か。

…うん、すいませんでした…兄山タイジです。
え〜と今度から俺の事は気軽に魔界ゾンべえって呼んで下さいね!
(死にぞこない的な意味で)

我ながらとんでもなく間をおいてのリターンぶりになっているので、とりあえず諸々の連載内容も忘れさられていそうな昨今ですが、再登場で一気にその存在感のなくなったジャンプキャラとかっているかな?…と、一通り考えてみても今パッと頭に浮かんでこず(いると思うんだけど)、そもそも元々がそう存在感のあった連載でもないので、今この気持ちを何にたとえて表現して良いものかがわからず、とても宙ぶらりんな心持ちです。

とりあえず…確か2年前、2010年の6月頃の当連載の原稿(第5回「美味しゅうございます、兄山タイジです」参照)は、主にW杯アメリカVSイングランド戦の真っ只中で、GKのファンブルでまさかの1-1ドローで終わった試合を見てみるみる全身の力が抜けるのを感じながらキーを打ってたんだっけ…?

果たして今年のEURO2012といえばイタリア代表のバロテッリという選手の髪型が、一時期のグリーンベルベット(旧姓:カーティス・ジョーンズ)のそれと酷似してる件に震え上がっていました。10年ほど前にドイツ代表にクリスチャン・ツィーゲという選手がいたのですが、2人の共通点は「モヒカン」であり、後者のクリスチャン・ツィーゲはW杯初戦にドイツの国旗柄のモヒカンで登場後、何故か大会後半にそのモヒカンを全剃りにし、決勝戦でブラジルに敗れるという末路を辿っています。そしてこのバロテッリのいるイタリアも今年のEURO決勝戦で0-4とボテくりまわされ敗れるという末路が待っており…え〜と何が言いたいかというと、モヒカンは決勝だと縁起が悪い云々という話以前にスペインおっかな過ぎて二の句が告げませんネ!という話です。
あ、すいません、これただの近況でした。




チベット上空で消息を絶つ

さて、先程も記載しましたが、ほぼ3ヶ月弱ぶり更新となる銛ガです。
この情報社会の今、3ヶ月以上消息を絶つという事は最早自殺行為に等しいのではないでしょうか。更に自分は前回更新時の最後を、この様な一文で〆ています。

「来月は前半奥秩父に行く用事があるので、暫し合間があきます。山狩りにも刀狩りナイキ狩りにもあわず無事帰ってこれた暁にはまた次回にお会いしましょう!」

と。

これで以降3ヶ月もの間消息不明となっては、俺が山狩りにも刀狩りにもナイキ狩りにもあったと概ね解釈されても仕方がありません。我修院こと若人あきらがたった3日間失踪しただけでも空前の大ニュースとなった平和な昭和末期の頃を思えば、3ヶ月の空白なんて夢と浪漫と憶測のし放題。「旅先の奥秩父でテントごと竜巻にまきこまれオズの国に遭難、そこから始まる大冒険」という設定で次回から更新内容が変わってきても不信には思われない程度には空白です。

この間、私は何をしていたのでしょう。

って聞かれてもな。

平たく言えばDJと仕事とサッカー観戦しかしていなかったのですが、それではあまりにも味気がありませんし、挙句の果てにぎっくり腰の治療もしていました、とまで言われれば(※実話)、何だかかもう森ガール云々以前に人として完全に色々アレな殺伐さです。なのでもうちょっと、実体験を元にとはいえドラマチックに背伸びしてみましょう。




夏のタイムマ神

2ヶ月ほど前にあたる5月の12日。
私は数十枚のレコードと共に奥秩父にいました。それもキャンプ場にです。

一応自分はディスクジョッキーとういうものをしておりますので、野外のパーティというものにDJとしてお誘いを頂いたのです。初秩父。どころか私はこの催しのお誘いがあるまでこの秩父という土地が埼玉県にある事すら知りませんでした。諸々偏った知識のみを貪り大人になるとこの様なスクラップ三太夫になるという良い見本市です。

さて、共に会場に向かう仲間のうち数人はそんな俺にとっては大変に頼もしい、かなりアウトドア慣れしているエキスパート達でした。そんな彼らの指南の元食料等も整え、私達は無事、既に夕暮れ時を過ぎた漆黒の森の中に入っていきました。

そう、「森」です。

往々にしてキャンプ場というものは山か海、ないし川とだいたいの相場が決まっています。京浜工業地帯や石油ターミナルでのキャンプ・ファイヤーはもはや違った意味のファイヤーでしょうし、また都心の公園や駅での野宿というのも弱冠意味が違ったサバイバル生活になってきます。

そういう意味で今回私が降り立ったのは"山"でした。
山、山、山、そして当然の如く、それは"森"です。ご覧ください。




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近場を小さな川が流れ、夜は星が瞬き、昼ともなれば緑の燃ゆる豊かな自然。
正真正銘、森の中のキャンプ場です。

そうくれば、そりゃ当然こんな連載していますもの。

考えますよね。
野生の森ガールとの邂逅。





森で発見!たまごっち

何分いくら田舎育ちとはいえ、自分は電車で毎日東京都心ド真ん中の会社に通える程度の場所に住み、近所にはブックオフ等もある。ちょっと車を走らせれば埋め立ての工場地帯に出てしまう様な、言わばあらゆる意味で中途半端な土地に居住しているのが今の己を取り巻く環境なのです。

いくら森だガールだゆるふわだと言っても、きっと本当の本筋については何もわかってはいない。自分は本当の"森"には居住している訳ではないのです。それは後ろめたさにも似た気持ちであり、また様々な森ガール文献においても押しなべで語られる「森にいそうな女の子」の概念そのものを現実的にはやはり理解しえていない、という事でもあります。

そりゃダメだ。そんなんだから3ヶ月もの間連載の更新がとまったりするんだ。
(※ただの責任転嫁)

しかし折りしも自分は今、本当の森に立っている。
山のキャンプ場ともなれば日が暮れるのも早く、そして満足な外灯も少ない環境の中では周囲は真っ暗です。催しの会場自体は運営の方達のお力により電源環境等もしっかりと管理され、夜半過ぎには無事本来の目的であるディスクジョッキーも終えた自分ですが、流石にキャンプサイトでは各々の焚き火がないと辺りも覚束ない程の闇また闇。これでは野生の森ガール発見の前に霊魂を発見してしまいそうですし、超常現象で済めばまだしも、本当に遭難してリアル失踪事件になるのでは尚更周囲に大きな迷惑をかけてしまいます。

私は翌日太陽が昇るのを待つ事にしました。
視界が開け、存分に動き回る事ができて初めて成せる事もあるのです。
テントで仮眠をとり、獲物を待つ。
私はさながら動物ドキュメンタリーの撮影クルーにでもなったかの様な心持ちでした。

おびき寄せる為にはやはりテーブルクロスの上にドングリ等が良いのでしょうが、あいにく持ち合わせがないから撒餌はパンの耳で代用しよう。
必ず捕まえてみせるぞ、野生の森ガール…!




超人の神とスーパーマン・ロードの存在

翌日、朝8時をまわった所でメンバーの中にそのまま午後は友人の結婚式に行く、という猛者がいた為、私達は既に車を走らせようとしていました。まごうことなき朝の光。空は快晴です。




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快晴です





ゆっくりと車は山道を滑り出しました。
昨日同じ道を登った際にはもう既に夕刻も過ぎており、あたりはすでに暗く霧がかり、一度道を一本間違えてまったく当ての違う集落に迷い込んでしまった際は、さながらブレアウィッチ状態の混乱に陥っていたのがまるで嘘の様な、まっさらで美しい、クリアな視界が広がります。

まぶしい緑、生い茂る樹木、遠くには谷川、空には鳥達。
「野性動物飛び出し注意」の警告看板があるくらいです。そろそろ森ガールの一人や二人、バスケット片手にヤマブドウで口の周りを真っ赤にしながら出てきても良い頃合いでしょう。見た事もない巨大な牡鹿にリネンをかぶせた状態でまたがってね!


…しかし、ものの5分も経たないうちに私達の車前方に現れたもの、
それは車に乗り合わせていた全員の言葉を一瞬奪うに充分過ぎるものでした。




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…え!?なにコレ!?

それは夢でも幻でもなく、ただただ山道に沿って並べられていました。
本当にこれといって脈略もなく。突然道の端に出てきたのです、天狗が。
そして決して精密な作りではないそれが、そこそこのデカさで。

一瞬おいた後、車内には笑いとシャッター音が響きましたが、間違っても深夜1人で歩行中に行き会おうもんなら新たな地方妖怪の伝説のひとつやふたつ出来てる級のカモン!恐怖!です。ムーのSFXを施したマスクです。(まだひっぱるのかウラシマネタ)

一体誰が。何の為に。そして何時から。




生きろ。

…ううん、真実はいらない。多分普通に地元の人の作品だから。
似たようなもの、「何コレ珍百景」で見た事あるから。
そんな事より夢をみていたいから。妄想に身をまかせていたいから。

現実なんて何の意味もないから?
子供はいるけどまだまだ修行と冒険の旅がしたいから?
まだまだ世界中のすっげえ強い奴と勝負したいから?
オッス!オラ悟空!!

…まさか最終的にバードスタジオ風方向に話が飛んでいくとは自分でも思っていませんでしたが、森に住まう者達にとってはこういった光景(天狗)は最早お馴染みであり、おそらくは眉一つ動かさないものなのでしょう。半端な田舎者の自分にとっては高すぎるハードルです。

「お前はまだ此処に来るべきものではない」

実際に森に赴いてみた結果、私は森全体にそう諭されている様な気持ちになりました。
それだけでも今回の旅の目的は果たせた様な気がします。
あと正直ほんとに「森にいそうな」って概念どこからきてるんだ?いるか?この森にあの格好で女子が?いそう?いるか?ってリアルな疑問も実感を持って湧きましたけれど。

しかし既に現在をもっても「ガール」というには正真正銘法で裁かれる年齢に達している自分にとって、その頃合いなど見計らっていてはもう遅すぎるのです。このままでは念願の自身の森ガール化は来世か古道具が妖怪になっていくプロセスと同様の道を辿るしか残されていない様な気がしてきました。どうしたものでしょうね。



posted by 兄山タイジ at 10:46| Comment(0) | カウンタック銛ガール
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